ハイパワー化の一途を辿る電動ツーリングカーのコンペティションシーンに対応するべく、従来モデルのTF6 SPからほとんどのパーツを新規設計品に改め、“超正常進化”と呼ぶに相応しいフルモデルチェンジを果たしたTF7。そのなかでも、特に重視したのは『左右ロールの均一化・適正化』と『メカニカルグリップの確保』です。時速100kmを超えるストレートスピードからのフルブレーキングによるコーナリングに代表されるように、これまでにはあり得なかった過酷なシチュエーションでの走行を強いられる近年のハイエンド電動ツーリングカーのレースにおいては左右旋回時のマシンの挙動をそろえること、すなわちシャシーのロール特性を左右でそろえることが操縦安定性の向上につながり、結果としてタイムアップを果たす大きな要因となっています。これを実現するために、TF7ではバルクヘッドやモーターマウントなどメインシャシーに固定する各種パーツの取り付けビスを左右対称に配置。さらに、バッテリーやステアリングサーボもTF6 SPではメインシャシーに直接固定するスタイルを採用していたのに対して、TF7ではシャシーのロール特性に影響を及ぼさないような吊り下げ式(フローティングマウント)に変更。加えて、メインシャシーの形状&厚みの変更やワンピースのアッパープレートの採用によってメカニカルグリップの増大も実現しています。これらの改良によって近年では一般的となったコントロールドタイヤによるレースはもちろん、パワーを抑えたローカルレースでも大きなアドバンテージが得られることは確実です。
●熟成の2ベルトドライブ4WDシャシーを近年のレースシーンに合わせてブラッシュアップ。
●フロントにスプールを使用した際により効果的なダブルジョイント式ユニバーサルスイングシャフトを装備。
●TF6では1.83:1だった2次減速比を1.90:1に変更してスロットルレスポンスをアップ。
●ドライブベルトのライフサイクルを延ばすためにプーリーを大径化。
●ハイパワー化に対応したアルミ製ワンピースモーターマウントが走行中のギヤトラブルを抑制。
●可変式バッテリーストッパーを調整することで、さまざまなサイズのバッテリー搭載に対応。
●前後バルクヘッドを共通化してシャシーバランスを最適化するとともにスペアパーツ準備の負担を軽減。
●スタビライザーはアルティマやレーザーといった電動オフロードモデルと共通化。
バルクヘッドやモーターマウントなどの取り付けビスを左右対称に配置することでシャシーロールを均一化し、クセのないコーナリング特性を実現。
TF6ではバッテリーをメインシャシーにグラステープ留めとしていたが、TF7ではロール特性を適正化するために専用プレートにバッテリーを吊り下げる方式に。
アルミ製サーボマウントを標準装備。こちらもシャシーのロール特性に影響を及ぼさないように、サーボを吊り下げて固定する片持ち支持構造を採用している。
TF6では2.5mm厚だったメインシャシーはメカニカルグリップの向上を目的に2.25mm厚に。また、ワンピースのアッパープレートでピッチング剛性も確保。
ピックアップのさらなる向上を狙って、リアギヤデフ内のべベルギヤには軽量な樹脂製を採用。高強度を誇るアルミ製ジョイントカップもハイパワー化に対応。
ハイグリップ路面でのロール量を抑制するために、ダンパーは従来モデルより2mmショート化するとともにダンパーステーの形状変更によってローマウント化。
ショートダンパーと相まって抜群の運動性を発揮するショートタイプのサスアーム。サスホルダーもセッティング変更が容易で、より実戦的なブッシュ式を採用。
モーターを冷却するためには必要不可欠なクーリングファン(30mm角サイズ、または40mm角サイズ)がボルトオン可能な樹脂製の専用ステーも付属する。